目の充血は、眼精疲労や乾燥が原因となって起こるのが一般的ですが、なかには、感染症や視力に影響を及ぼす病気が関係している場合もあります。
本記事では、充血の症状別に原因を解説。自宅でできるケアや予防方法、医療機関での受診が必要なケースまで、わかりやすくご紹介します。
1.目の充血が起こるメカニズム
「目の充血」とは、目の血管が拡張し、白目が赤く見える状態のことです。目の表面にある血管が何らかの原因で膨らみ、一時的に充血が起こります。
目の疲れや乾燥、外部からの刺激によって生じるケースが一般的ですが、なかには感染症や慢性的な病気が潜んでいるケースもあります。充血が頻繁に起こる場合や、なかなか快方に向かわない場合は速やかに医療機関を受診しましょう。
2.充血の症状から考えられる原因は?
目の充血にはさまざまな症状があり、その特徴によって原因が異なります。ここでは、代表的な症状とその特徴を2つご紹介します。
結膜充血(白目の周辺が網目状に赤い)
特徴 | 結膜充血は白目全体に網目状の赤みが広がるのが特徴。まぶたの裏側や白目部分に現れ、目ヤニや涙を伴う |
考えられる原因 | アレルギーや目の疲れ、乾燥などが原因で、花粉やハウスダストによるアレルギー反応や、ドライアイ、長時間のコンタクト使用が症状を引き起こすことがよくある |
毛様充血(黒目の周辺が青紫色に充血)
特徴 | 毛様充血は黒目の周辺に青紫色の充血が見られる症状。まぶたの裏までは充血せず、涙は出るが目ヤニは出ない |
考えられる原因 | 角膜に傷がついて起こる角膜炎や、ぶどう膜(虹彩や脈絡膜などの層)に炎症が生じるぶどう膜炎など。リウマチなどの全身性疾患が影響している場合もある |
3.家でできる!目の充血を解消する5つの方法
目の充血は、痛みやかゆみがなくても見た目が気になるもの。原因が結膜充血の場合、少しでも早く治したいときは、自宅で簡単にできる対処法を知っておくと便利です。
ここでは、目の充血を緩和するための具体的なセルフケア方法を5つご紹介します。
目薬を使う
目の充血が気になる場合は、症状に合わせた目薬を使うのが効果的です。充血を素早く抑えたい場合には、血管収縮剤が含まれた目薬をおすすめします。アレルギー症状が原因の場合は、抗ヒスタミン成分配合の目薬を選んでください。
目を休める
スマートフォンやパソコンを長時間使用すると目が疲れ、充血しやすくなります。作業の合間には休憩をとり、目を閉じたり、遠くを見たりして目をリフレッシュさせましょう。また、意識的にまばたきすることも大切です。こうした習慣を取り入れることで、目の負担を軽減し、充血の予防にもつながります。
目元を冷やす
目が充血したときは目元を温めた方がいいのか、冷やした方がいいのか悩みますよね。目の疲れを感じた時は目元を温めるのがよいとされていますが、充血の場合は冷やすほうが症状緩和につながります。目の周りを冷やすと血管が収縮し、充血を和らげる効果が期待できます。冷たい濡れタオルや冷えたジェルパックなどを利用し、目を休めるタイミングで軽く目元を冷やすのが効果的です。
加湿器で乾燥対策
乾燥した環境にいると、目の表面から水分が蒸発していき、ドライアイや充血の原因となることがあります。室内の湿度を保つために加湿器を使用し、空気が乾燥しすぎないように注意しましょう。特に冬季やエアコンを使う季節は乾燥しやすいので、加湿器を使用するなどして適切な湿度管理が充血対策に効果的です。
コンタクトレンズを外す
長時間コンタクトレンズを着用していると目に負担がかかり、充血を引き起こすことがあります。自宅にいる間はコンタクトレンズを外して眼鏡を使用し、目を休ませましょう。また、コンタクトの装着時間や装用スケジュールを見直すことも大切です。目が疲れを感じやすい人は、1日使い捨てタイプのレンズを検討してみましょう。
4.医療機関を受診すべきケースと目安
目の充血は多くの場合、時間が経つことで自然に回復します。しかし過去に同様の症状で医師から診断を受けたことがある場合を除き、次のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
- 充血が3日以上続く
一時的な疲れや乾燥ではない可能性があります。 - 目のかすみ、頭痛、視力低下を伴う
急性緑内障やぶどう膜炎などの可能性が考えられます。 - 目ヤニ、ゴロツキ感、かゆみを伴う場合
細菌性やウイルス性の結膜炎など、感染症の可能性が考えられます。涙が多く出たり、目の痛みがあったりする場合は要注意です。 - コンタクトレンズ使用中に異常を感じる場合
角膜炎や角膜びらんなどの可能性が考えられます。
5.日常でできる目のケアと予防策
目の充血を予防するためには、日常生活でのちょっとしたケアが大切です。目の健康を保つために、以下の方法をぜひ取り入れてみてください。
ビタミンやルテインを含む食品を摂取する
目の健康には、ビタミンAやC、E、ルテインが重要です。これらは緑黄色野菜や魚介類に豊富に含まれており、目の疲れを軽減したり、加齢による目の病気を予防したりする効果があると言われています。積極的に食事に取り入れて、目を内側からケアしましょう。
コンタクトレンズを見直す
長時間のコンタクトレンズ使用は、目に負担をかける原因となります。レンズの交換頻度や装用時間を見直し、目の形に合ったものを使用することが大切です。また、定期的に眼科を受診し、度数や眼圧などを検査してもらいましょう。
20-20-20ルールを実践する
パソコンやスマートフォンを長時間使用する際には、「20-20-20ルール」を実践しましょう。「20-20-20ルール」とは、20分ごとに、20フィート(約6メートル)先を20秒間見ることで、目を休める方法です。習慣づけることで、仕事中や集中して作業をしているときも意識的に目を休めることができます。
まばたきの回数を増やす
パソコン作業や読書など、集中しているとまばたきの回数が減りがちです。意識的にまばたきの回数を増やすことで、目の表面を潤し、乾燥や疲れを防ぐことができます。
目をこすらない
目がかゆいと、つい目元を触ってしまいがちですが、目を強くこすると角膜に傷をつけてしまうことがあるため厳禁です。かゆみを感じたら、洗眼液を用いて清潔な手で軽く洗眼するか、目薬を使用して症状を和らげるようにしましょう。
6.まとめ
目の充血は、疲れや乾燥による一時的なものであればセルフケアで改善することが可能です。しかし、充血の症状が長期間続いたり、視界のかすみや痛みを伴ったりする場合は病気のサインかもしれません。目の充血が長引く場合は早めに医療機関を受診するよう心がけましょう。