情報掲載日:2024/12/01
【医師監修】寒暖差アレルギーとは?症状や対処法について解説

寒暖差アレルギーとは、急激な温度変化によって引き起こされるアレルギーのような症状です。特に季節の変わり目や冷暖房の使用が増える時期に発症しやすく、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった風邪に似た症状が現れます。

本記事では、寒暖差アレルギーの具体的な症状、治療方法、そして予防策について詳しく解説します。

1.寒暖差アレルギーとは?

寒暖差アレルギーとは、急激な温度の変化によって引き起こされる、くしゃみや鼻水などの症状を指します。アレルギーと同様の症状が出ますが、厳密にはアレルギーではありません。

寒暖差アレルギーが起こる原因

寒暖差アレルギーの原因は、未だにはっきりとはわかっていません。しかし、急激な気温の変化により、自律神経のバランスが乱れることで引き起こされると考えられています。

自律神経はからだを活発に動かす「交感神経」とからだを休める「副交感神経」という2種類の神経から成ります。自律神経にはからだの機能を調整する働きがあるため、急激な温度の変化によって自律神経のバランスが崩れると、不調をきたしやすくなるのです。鼻粘膜の働きが弱り、鼻水や鼻づまりといった症状が出ます。

寒暖差アレルギーはどんな人に起きやすい?

寒暖差アレルギーは子どもや男性には少なく、中年以降の女性や高齢者に多いといわれています。加齢や運動不足により筋肉量が減って基礎代謝量が下がると、体内で産生できる熱が少なくなります。すると、体温調整がしづらくなり、寒暖差に弱くなってしまうのです。

また、もともと喘息や花粉症などがある方も注意が必要です。寒暖差によって喘息発作や鼻水、鼻づまりが誘発されたり、症状が増悪してしまったりする場合があります。


2.寒暖差アレルギーの主な症状

寒暖差アレルギーの主な症状

寒暖差アレルギーの主な症状は、次のとおりです。

  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 鼻づまり

風邪やアレルギーに似た症状が引き起こされます。また、人によっては倦怠感や頭痛など、鼻以外に症状が起きる場合もあります。

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風邪・アレルギー性鼻炎との違い

寒暖差アレルギーと風邪、アレルギー性鼻炎は、くしゃみや鼻水など、似たような症状が出ます。しかし、主な症状の現れ方には次のような違いがあります。

  • 鼻水
    風邪の場合、細菌やウイルス、免疫細胞などにより黄色っぽかったり、粘り気があったりする鼻水が出ることもあります。一方、アレルギー性鼻炎や寒暖差アレルギーの鼻水は無色透明で、水っぽくサラサラしているのが特徴です。
  • 鼻づまり
    アレルギー性鼻炎や風邪では、つらい症状が続く場合があります。アレルギー症状を引き起こすアレルゲンや風邪の病原体がいる間は、鼻づまりが起こりやすいのです。アレルギー性鼻炎の代表格である花粉症をイメージするとわかりやすいかもしれません。一方、寒暖差アレルギーでは、鼻閉感よりもムズムズした感じになることが多いようです。
  • くしゃみ
    風邪の場合、くしゃみが続けて出たとしても3~4回程度ですが、寒暖差アレルギーとアレルギー性鼻炎では何度も続けてくしゃみが出ることがほとんどです。寒暖差アレルギーではくしゃみが続いても一時的ですが、アレルギー性鼻炎ではアレルゲンに触れやすい環境下にいる限り症状が続くのが特徴です。

そのほかにも、風邪に特徴的な発熱はアレルギー性鼻炎ではほとんど見られず、寒暖差アレルギーの場合は発熱自体することがありません。一方、目のかゆみはアレルギー性鼻炎の特徴的な症状です。

ここで紹介した症状の現れ方は、あくまでも一般的なものです。症状には個人差があるため、参考に留めておいてください。もしも不安な場合は、医療機関へ相談しましょう。

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3.寒暖差アレルギーの対処法

寒暖差アレルギーの対処法

寒暖差アレルギーは、急激な気温の変化によって起こります。もしも寒暖差アレルギーが起きた場合は、身体で感じる温度差を調整する対策が有効です。急激に身体を冷やすことがないように、服装で体温調節するようにしましょう。

症状がひどい場合は医療機関の受診を

寒暖差アレルギーは、季節の変わり目に起きやすいものです。症状もくしゃみや鼻水など、風邪や花粉症と似ており、なかなかご自身での判断がつきづらいケースもあります。

症状は自然と落ち着くことがほとんどですが、もしも症状が良くならない場合は、医療機関を受診しましょう。アレルギーが疑われる場合は、アレルギー検査をおこなうことも検討してください。


4.寒暖差アレルギーの予防策を紹介

ここからは、すぐにできる寒暖差アレルギーの予防方法をご紹介します。

衣類で寒暖差を減らす

衣類で寒暖差を減らす

寒暖差アレルギーは急激な気温の変化によって起こります。そのため、カーディガンやパーカーなどの上着などの衣類を活用して、温度調節をおこなうと予防につながります。とくに太い血管が通っている首や手首、足首をマフラーや手袋、レッグウォーマーなどで温めると、体温を上げやすくなります。

朝晩の気温差がある場合は、着脱可能、かつ折りたためる上着やストールなどをかばんに入れておくと安心です。

適度な運動を取り入れる

適度な運動を習慣づけ、筋肉量を上げると、基礎代謝が上がって体温調節がしやすくなります。また、ストレッチなどによりからだをほぐし、リラックスすると、自律神経のバランスも整いやすくなります。さらに、ストレス解消につながるというメリットも。

運動が苦手な方は、日常生活の中で無理なくできる動作をプラスすることから始めてみましょう。エスカレーターではなく階段を使ったり、一駅分歩いたりして、意識的にからだを動かすことが重要です。

バランスのよい食生活

寒暖差アレルギーは自律神経が深く関わっていると考えられているため、暴飲暴食などによって自律神経のバランスを崩さないように、栄養豊富で規則正しい食生活を心がけることが大切です。

また、冷たい食べ物や飲み物はできるだけ避け、からだをあたためる食材を意識的に摂取しましょう。未精製の黒砂糖やもち米、しょうが・シナモン・山椒などのスパイス、玉ねぎ・かぼちゃなどの野菜類、納豆などの発酵食品がおすすめです。

規則正しい生活で自律神経を整える

規則正しい生活で自律神経を整える

交感神経と副交感神経のバランスを整えるには、毎日規則正しく過ごすことが大切です。起床時間と就寝時間を一定の時間にして体内のリズムを整え、3食バランス良く食べることが、規則正しい生活の基本です。

また、質の良い睡眠をとることや、適度なストレス発散を心がけることも、自律神経を整えるためには重要です。意識的にリラックスできる時間を作りましょう。


5.自律神経のバランスを整えて、寒暖差アレルギーを予防しよう

寒暖差アレルギーは、急激な気温の変化によって起こるくしゃみや鼻水などの症状です。まずは規則正しい生活や適度な運動を心がけ、交感神経と副交感神経のバランスを整えて予防に努めましょう。もしも寒暖差アレルギーの症状がなかなか改善しない場合は、医療機関の受診も検討してください。