情報掲載日:2024/11/23
【医師監修】口内炎を早く治すには?原因や対処法をご紹介

飲食の楽しみを奪う口内炎は、できれば早く治したいものです。そこで本記事では、口内炎の種類と原因を解説し、早く治すためのセルフケア方法を紹介します。また、口内炎ができた時に避けるべきこともあわせて紹介します。

1.口内炎の種類と原因

口内炎の種類は、次のように分けられています。

  • アフタ性口内炎
  • ウイルス性口内炎
  • カンジダ性口内炎
  • アレルギー性口内炎

など

もっとも多く見られる口内炎は、アフタ性口内炎です。痛みを伴うのが特徴で、表面は白や黄色を帯びた、大きさ2~10mm程度の潰瘍(かいよう)です。

アフタ性口内炎は口の中を誤って噛んだり、歯ブラシなどで傷つけたりした部分や、飲食物による火傷などの傷に細菌が入り込んで起こります。ビタミン不足やストレスなどによる免疫力の低下が影響しているケースもあります。

そのほか、ウイルス性口内炎は名前の通り、ヘルペスや手足口病、麻疹などのウイルス感染により起こる口内炎です。カンジダ性は真菌(かび)の一種、カンジダが原因です。アレルギー性口内炎の原因はさまざまですが、薬物や歯科治療に用いた金属などが多いとされています。

なお、初期のがんが口内炎のように見えたり、自己免疫疾患の症状として口内炎ができていたりするケースもあります。口内炎がなかなか治らなかったり、何度も繰り返したりする場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。


2.口内炎を早く治すためにできること

ここからは、アフタ性口内炎のセルフケア方法について紹介します。

質の良い睡眠

質の良い睡眠

前述の通り、口内炎の発症にはストレスや過度の疲労による免疫力の低下が影響するともいわれています。口内炎は疲労が蓄積しているサインとも考えられるため、まずは心身ともにしっかりと休息をとることを心がけましょう

また、睡眠時間をしっかり確保するために夜更かしは禁物です。そのほか、就寝前の生活習慣も見直してみてください。ぬるめのお湯に入浴したり、なるべく夜間はパソコンやスマートフォンを使わないようにしたりすると、睡眠の質を向上させられます。

食生活の見直し

食生活の見直し

口内炎ができる時は、胃腸に不調が起きている可能性があります。胃腸に負担をかけないよう、消化の良い食事を意識して、よく噛んで食べるようにしましょう

口内炎の改善や予防のために積極的に摂りたい栄養素は、粘膜を保護するはたらきのあるビタミンB群です。レバーなどの肉類やまぐろなどの魚、卵、納豆、ピスタチオなどのナッツ、にんにく、乳製品などに多く含まれます。口内炎の痛みが強い場合は、口に含みやすいスープなどの汁物を火傷しないようによく冷ましてから摂るとよいでしょう。

口内環境の改善

口内環境の改善

アフタ性口内炎は、口腔内にできた傷に細菌やウイルスが入って起こる炎症です。口内炎を悪化させない、繰り返さない、そして早く治すためには、口腔内環境を清潔に保つことも重要です

定期的に歯科医院に通って口腔内のメンテナンスを心がけるのはもちろん、セルフケアの基本としては毎食後の丁寧な歯磨きを欠かさないようにしましょう。歯磨きの際に口腔内の粘膜を傷つけないよう、やわらかめの歯ブラシや刺激の少ない歯磨き粉を選ぶことをおすすめします。こまめなうがいも、口腔内のセルフケアとして有効です。

また、唾液には抗菌作用があるため、唾液の量が少なくなり口腔内が乾燥すると、細菌が繁殖しやすくなります。適切な水分補給で口腔内を潤すほか、口呼吸によるドライマウスの傾向がある場合は歯科医院に相談するなどして改善を図りましょう

ビタミン剤やサプリメントの活用

口内炎の痛みで十分な食事が摂れない場合や、食事だけでは栄養素が不足していると感じる場合には、ビタミン剤やサプリメントの活用も検討してみてください

口腔内の粘膜を保護し、口内炎の改善・予防に役立つビタミンB群は水溶性ビタミンのため、尿によって体外に排出されやすい特徴があります。不足しがちな栄養素はビタミン剤などで補うとよいでしょう。

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3.口内炎を早く治すために避けるべきこと

口内炎を早く治したい時に避けるべきNG行動を紹介します。口内炎がなかなか治らない場合は、次の行動に心当たりがないか確認してみましょう。

食事を摂らない

口内炎が痛むからといって、食事を摂らなかったり、偏った食事を続けたりするのはやめましょう。栄養不足によって免疫力がさらに低下し、口内炎を繰り返してしまう可能性があります。とくに、糖質ばかりの食事を続けてしまうと、粘膜の保護に役立つビタミンB群が過剰に消費されてしまいます。食事はバランスよく摂りましょう。

歯磨きを疎かにする

歯をきちんと磨かないのも、口内炎を早く治したい時にはNGです。口腔内が不衛生になり、口内炎が治りづらくなったり、再発したりするおそれがあります。歯ブラシはやわらかいものを選び、歯磨き粉を使用する場合は刺激の少ないものを選びましょう

口内炎に刺激を与える

辛いものや熱いもの、味が濃いものなどは、口内炎を悪化させる可能性があります。また、刺激の強いマウスウォッシュも、口内炎がある場合の使用は避けましょう。お酒やタバコなども控えてください。


4.早く治したい口内炎には適切なセルフケアを

早く治したい口内炎には適切なセルフケアを

口内炎は体の免疫力が低下している際にも起こりやすく、心身の疲れを現すサインかもしれません。できてしまった口内炎を早く治すには、生活習慣や食事を見直し、改善を図りましょう。セルフケアを試してもなかなか改善が見られない場合や口内炎を繰り返す場合は、耳鼻咽喉科などの医療機関を受診してください。