情報掲載日:2024/11/05
【専門家監修】胃もたれ時は食事を控えるべき?食べ過ぎで気持ち悪い時の選択肢

食べ過ぎたり飲み過ぎたりしたあとに感じる、不快な胃もたれ。「胃もたれを悪化させたくないけれど、何か口にしたい」という時には、どのように対処すればよいのでしょうか。

本記事では、胃もたれの時に控えたい食事や比較的摂りやすい食事、さらに胃もたれを起こさないために心がけたい生活習慣についても紹介します。


1.食べ過ぎ、飲み過ぎの胃もたれはどうしたら治る?

食べ過ぎ、飲み過ぎの胃もたれはどうしたら治る?

まずは胃もたれが起きる原因と、症状を緩和させる方法についてお伝えします。

胃もたれの原因

食べた物は一時的に胃に蓄えられ、その後、胃液のはたらきによって消化され小腸で吸収されます。しかし、食べ過ぎてしまうと食べた物が胃に留まる時間が長くなり、胃に大きな負担がかかります。これが胃もたれの原因です。特に、焼肉や揚げ物といった脂肪分が多く含まれる食べ物は消化に時間がかかるため、胃もたれを起こしやすくなります。

一方で、胃もたれの原因は食べた量だけが影響しているとは限りません。普段と同じ食事内容でも、疲れが溜まっている時や強くストレスを感じている時は胃もたれを起こしやすくなるので要注意です。

疲れた胃や腸を休ませることが先決

食べた物の消化や吸収にかかる時間には個人差があるので、吐き気を覚えるほどの気持ち悪さや苦しさを感じる間は、無理に食事を摂らず胃腸を休ませることを優先しましょう。

ただし、胃もたれで気持ちが悪い時にも水分補給は欠かせません。冷たい水は胃への刺激になるので、沸かしたお湯を適温まで冷ました白湯をこまめに飲むのがおすすめです。


2.胃もたれしている時におすすめの食事

胃もたれしている時におすすめの食事

胃もたれが少し落ち着いてきたら、まずは消化のよい食事から口にするようにしましょう。ここでは胃もたれしている時におすすめの食材や調理方法、選び方についてご紹介します。

ご飯や麺類はやわらかく煮込む

ご飯や麺類などの炭水化物は、多めの水分量で加熱調理することで消化吸収しやすくなります。お粥や煮込みうどんなどにして摂るとよいでしょう。

野菜たっぷりの炊込み粥にするのもおすすめです。お粥が炊ける炊飯器に0.5合の線まで水を計り入れたら、0.25合のお米と小さく切った野菜を約1カップ釜に入れ、お粥モードで炊飯するだけの簡単レシピです。炊き上がったら、めんつゆで味付けしてください。めんつゆの量は2倍希釈のもので大さじ2杯が目安です。

肉や魚は油を使わずに調理

肉や魚を選ぶ場合は、煮物や蒸し物、ホイル焼きなど、油を使わない調理方法がおすすめです。また、細かく加工された状態になっているつくねや魚肉ソーセージなども胃に負担がかかりにくいと言えます。

胃に優しい野菜で消化をサポート

胃もたれの時には、できるだけ脂質を抑え、消化しやすく胃に優しい食事をおすすめします。大根、かぶ、山芋は消化酵素のはたらきを助けてくれる食物酵素を多く含んでいるので、体調を見ながら食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

食物酵素は熱に弱いため、サラダなどでなるべく生のまま食べると良いでしょう。もちろん温かい食べ物を口にしたい場合は、加熱調理しても構いません。その際は小さく切って、薄めの味付けにするようにしましょう。

関連記事: 【管理栄養士監修】理想のPFCバランスや食事とは?


3.胃もたれしている時に避けるべき食事

胃もたれしている時に避けるべき食事

逆に胃もたれしている時に避けたほうがよい食事としては、次のようなものがあげられます。

胃を刺激するもの

辛い物や味の濃い食事は、胃を守ってくれるはずの粘膜を刺激してしまいます。胃もたれがある時には、胃酸の分泌を促す食べ物はなるべく避けましょう。

具体的に避けたい食材は以下のようなものがあります。

  • 辛いもの(とうがらし、わさびなど)
  • 塩味の強いもの(漬物、塩辛など)
  • 酸味の強いもの(酢の物、柑橘類の果実など)

飲み物についても、カフェインを含むコーヒー・紅茶・緑茶、炭酸飲料、アルコールなどの刺激が強いものは控えましょう。ノンカフェインの麦茶やルイボスティーなどがおすすめです。

また、冷たすぎる飲み物や熱すぎる飲み物も、胃に負担がかかるので気をつけましょう。

脂質を多く含むもの

脂質は消化吸収されるまでに時間がかかるので、胃がもたれている時には、できるだけ避けたいものです。胃に優しい食材でも、フライにしたり、天ぷらにしたりすると脂質の量が増え、胃に負担をかけてしまうので注意しましょう。

食物繊維を多く含むもの

食物繊維は、ほかの栄養素を吸収するスピードを緩やかにするはたらきがあり、食後の血糖値の上昇を抑えてくれるため、普段の食生活には積極的に取り入れたい栄養素です。

一方で、胃腸で吸収されないという特徴があるため、胃もたれしている時は控えたほうがよいでしょう。食物繊維が多く含まれる食材には、ごぼうやさつまいも、きのこや海藻類などがあげられます。また、蕎麦も食物繊維も多く含むので、胃もたれの時にはおすすめしません。


4.胃もたれの気持ち悪さは市販薬でケアできる

胃もたれの気持ち悪さは市販薬でケアできる

胃もたれがなかなか良くならず、つらい症状を早く治したい場合は、市販薬を利用するのも一つの方法です。胃薬には、胃粘膜の修復を促進する成分と胃のはたらきを良くする健胃成分が含まれています。胃もたれしている時は、両方の成分が入っている胃薬を選ぶのもよいでしょう。

薬を選ぶ時は、薬剤師や登録販売者など専門の知識がある人に相談しながら購入することをおすすめします。


5.いつも胃もたれしやすいなら生活習慣の改善を

胃もたれをよく起こしやすい人は、次のような点に気をつけて普段の生活を見直してみましょう。

食習慣の見直し

食べ過ぎや飲み過ぎを控えることはもちろんですが、普段の食事でも、満腹になるまで食べるのではなく、腹八分目を目安にしましょう。三食を規則正しくとり、できれば食後には30分程度の食休みをとることをおすすめします。

食べた物を消化するにはおよそ2~3時間かかるので、夕食は就寝する2~3時間前には済ませるようにすると翌朝の胃もたれを避けられます。

関連記事: 【管理栄養士監修】腸内環境を整える方法や、食べ物との関係を解説

軽めの有酸素運動を

胃のはたらきを良くするためには、適度に体を動かすことも効果的です。冷えがある人は運動することで血流が良くなり、胃もたれ改善にもつながります。運動する時間がなかなか取れない人も、買い物ついでに歩く距離を増やしたり、一駅分歩いたり、できることから心がけてみましょう。

ストレスを溜めない

精神的なストレスが続くと、自律神経のバランスが乱れることで胃の働きも低下しがちに。また、ストレスを溜め込んでしまうと、喫煙やアルコールの摂取など胃に負担をかける行動にも繋がりやすいので、適度な運動でリフレッシュするなど、上手な解消法を探してみましょう。

慢性的な不調は医療機関の受診を

胃もたれを引き起こす原因は、食べ過ぎやストレスだけとは限りません。生活習慣や食事に気をつけ、市販薬を服用しても良くならない場合や、慢性的に胃の不調が続く場合は、医療機関の受診をおすすめします。


6.胃もたれを起こさない生活習慣を心がけましょう

胃もたれの原因を知り、胃に優しい食事の方法や避けるべき食材がどのようなものかわかると、普段から胃の健康を心がけた生活が送れるはずです。健康な毎日を過ごし、食事を美味しく楽しめるように、ここで紹介したことをぜひ実践してみてください。